1. スチームトラップの選定

    

   1. 作動圧力の把握

1. 1. 1. スチームトラップの入口圧力

          

         スチームトラップは、その上流側にある装置等の圧力仕様を満たすだけでなく、運転中の圧力変動に対しても良好な作動を維持しなければなりません。スチームトラップの復水排出能力は、その出入口の圧力差によって決まりますが、入口圧力は、その上流側にある装置へ供給される蒸気圧力や、その装置の負荷変動に応じて変化します。特に装置等の蒸気供給ラインに自動調整弁が設置されて、蒸気供給が負荷に応じて制御されているような場合は、軽負荷時に圧力が大きく低下することがあります。従って調整弁が絞られて低下する圧力をしっかり押さえておく必要があります。これらを考慮しながらスチームトラップの使用圧力を把握します。

      2. スチームトラップの背圧

 

スチームトラップはまた、その下流側の圧力（背圧）やその変動に対しても良好な作動を維持しなければなりません。スチームトラップの出口側がすぐ大気開放されている場合は背圧を考慮する必要がありませんが、長い復水排出ラインへ接続されたり、立上げ配管が設けられていたり、復水回収ラインへ導かれることなども多く見られます。これらの場合は、スチームトラップ出口部に、流路抵抗や水頭圧、回収先の有圧装置等による背圧が生じています。また重要なことは、スチームトラップから排出された復水の一部がフラッシュ蒸気となって背圧を生じることです。

 

 

これら背圧の程度を把握して適切な‘最小作動差圧’或いは‘最低使用圧力’を有するスチートラップを選定しなければなりません。